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平成二十年度さと子の日記広場たより七号 通算543号
        二〇〇八年六月二十八日(土)旧皐月二十五日


 山桃が熟しはじめました。
 例年六月下旬の日記広場は山桃採りなのですが、今年は少し遅いようです。
 雨の降らなかった二十五日水曜日の日記広場のことです。
 戸畑央小学校一年のYくんYちゃんが籠を持って「黒くて大きいの」と探していると、同じ小学校の二人の男の子が来て手伝います。わたしが蚊取り線香を持って降りていくと、それも奪い合って持ちます。まだきれいな赤い実が多くて、目当ての黒っぽい実は少ししかありませんでしたが、さあ上がりましょうと言うと「お邪魔しまーす」と二人もついてきます。日記広場は誰でも集まる広場ですから、四人で山桃を洗い拭いて、蔕を取って瓶に入れ、あとからきたNちゃんも加わって、ひとり三個ずつ氷砂糖入れ、自分の名をラベルに書き貼りました。
 次は夏みかんジュース作り。酸っぱいけど美味しい!肥中で連れ合いが摘んだ夏蜜柑です。Yくんは手慣れたもので、まず半分に切って、皮をむいて房にし、種を取ってジュース絞りに入れ、体全体を傾けてぎゅっと絞り出します。二人のうち一人は「卵焼き、僕作った」と包丁を手にしましたが、もう一人は「僕切ったことない」ともっぱら剥き役、絞り役。でも、NちゃんやYくんが使用済みの夏みかんをダンボールコンポスト用に小さく切っているのを見て、彼も包丁を手にしました。とても真剣な顔でした。こういう顔を見られるのが、日記広場をしたわたしの特権だなと、嬉しい一瞬でした。
 次はお菓子の絵本作りです。四月から参加のT沙ちゃんのお母さんM智さんが卵抜きで(五月から参加のKaくんが卵アレルギーなので)小型絵本のサイズにクッキーを焼いてくださったのです。絵本カーニバルのワークショップに何かないかしらと話していたからです。絵の具は抹茶やココアクリーム。苺や梅のジャムも使います。飾りにポップコーンやチョコチップ、小さな金平糖。梅雨時ですから雨とか雷とか、空とか言いながら作っています。食べるときにどんなおはなし?と聞きますとはにかんで「忘れた」という子もいますが、いろんなことを思いながら楽しみながら作っていました。でも、そうは思い通りの形にはなりません。きちんとした形をおとなに見せられないので
「忘れた」と言うしかなかったのでしょうが、心の中の絵本は出来
ています。おとなは出来上がった形で子どもを理解しがちです。
でも、その課程で生まれたものがその子の何かを作るのです。

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