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平成十九年度 聰子の日記広場たより七号 
 
通算五二二号 二〇〇七年六月二十日(水)旧皐月五日

 六月はいそがしい時です。
 山桃がポトポト落ちます。いつもは雨傘を差して実を拾っていましたが、今年は柄を引っかけて枝を揺するのに傘を使いました。洗って瓶に入れ氷砂糖を入れるだけで、美しい色のシロップが出来ます。父の日のプレゼントにしました。 
 桑の実は直方まで摘みに行きましたが、雨が降らなかったからでしょうか、木についたまま枯れていました。そのかわり水俣では桑の実ジャムをいただきました。ひどい雨でなかったら摘めたのに残念です。枇杷も実ります。梅も実になります。
 例年十日前後に関谷さんちの梅ちぎりに行きますが、六回目の今年は遅くて十七日でした。なぜ遅くなったかというと、わたしが九日から宗像の福岡黙想の家での「遊びと芸術」講座を一泊して受けたためです。「知恵の探求と遊びー余暇と観相」で九大名誉教授の稲垣良典先生の哲学のお話。「霊性の発見講座ー芸術は覚醒にみちびく」と横尾龍彦先生の芸術のお話。三万坪の敷地の黙想の家は祈りの森です。小鳥の声で目覚めました。魂で描く描き方を教わりました。
 四十年前の明治の教え子の林田郷子さんから、横尾先生の講座を受けましょうとお誘いを受け、三回目にやっとご一緒できました。美術の横尾先生は憧れの人でした。教師にそしてクリスチャンにありがちな型にはまった考え方と反対にある方だったからです。四十一歳で教師を辞められ、大変なご苦労をされ、日本では売れない絵がドイツで売れ、それ以来ドイツと日本にアトリエを持たれ、魂で絵を描かれています。絵の具が描くのではない、自分が描くのではない、内なる自分自身に出会えれば、この美しい宇宙と一体になって魂が、風や光や水の持つ力で描く。
 子ども九人おとな十五人の梅ちぎりでした。今年は黄色く熟した梅が落ちていましたが、それでジャムを作りました。いい匂いです。なによりその色の美しさにうっとり。梅ジャムのことは愛ちゃんが持ってきてくれた福音館『うめのみとり』にあったのです。
 愛ちゃんはこれを何度も何度も読んで梅採りの日を待ちました。
 そして絵本と同じように長い棒で梅の実を落とすのを見ました。
 体験すると、子どもはそれを自分の言葉で表します。教えら
 れた知識ではなく、体験が子どもを心豊かに育てるのです。      
カット   関谷庭の枇杷