平成十八年度 聰子の日記広場たより29号

 通算五一四号     二〇〇七年三月三日(土)陰暦睦月十四日

 一九九二年から幼児教育専門家として、講演活動されている熊丸みつ子さんをご存じですか。小・中学校思春期教室講師として全国を回られ『大丈夫!子育て順調よ!』『新聞紙で遊ぼう!』の著書があり、老人大学の講師などもされています。
 牧山小おはなしの会のあと、五,六年生が人権の時間にみつ子先生のお話を聞くと知りました。学校にお願いしたら快く許可してくださって後ろで聞きました。
 小柄な方ですが、きびきびした動作と、なにより可愛らしい声に魅了されます。自宅で音楽教室も開かれていると聞き、成る程です。ただ可愛い声ではありません、子どもたちに絶対伝えたいという思いの強さに溢れている人間の声でした。
 他校での感想に「どうしてそんなに一生懸命話すの?原稿も見ないで話すおとなは初めて」と言うのがありました。牧山小は午後の一時限だけでしたが、その学校は二時間話されたそうです。「十二回もきみたちは素敵だと言った。」否定されることが多い子どもたちにとって「きみたちの笑顔は素敵だよ」と肯定されることは、素晴らしい体験だったのでしょう。「子どもがいないのに、どうしてそんなに子どものことが分かるの?」みつ子さんは伝えたいことがいっぱいあるからなのと答えます。 
 生まれてきたからには、幸せに生きてほしいの。お母さんは命に替えてあなたを産んだのだから、幸せになるために生きてほしいのと、心を込めて話されます。知識や理屈ではなく、生きた、身体を通した言葉で話されるから、子どもたちは一心に聞きます。
 幼稚園の子どもにね、どこから生まれたの?って聞くの。そうしたらね、川とか卵とか言うのよ。可愛いねえ。ぼくお兄ちゃんに教えて貰った。ぽちのうんちから!という子がいてね・・・ここで全員爆笑。何回もみんな笑いました。学びました。
 受精のことも、何億の精子の中のたったひとつの一番優しい一番輝いた一番強い精子がお母さんの卵子と結びついたのだから、あなたたちひとりひとりはとても素敵なんだよと仰る言葉に、子どもは素直に頷きます。生まれたらね、二時間おきにあなたたちは泣いていたのよ。お母さんはそのたびに抱っこしておむつを替えてお乳を飲ませたの。そういう優しさをいっぱい貰ったから、あなたたちは優しいの。
 この言葉に涙が出てしまいました。そうか、私は優しいんだ。
だから人にも優しくできる、とみんな思ったに違いありません。