平成十八年度 聰子の日記広場たより6号
 通算四九一号   二〇〇六年五月十日(水)旧暦卯月十五日


 蕗と筍の季節です。
 連れ合いが肥中から帰るたびに持って帰ります。土曜日なので、子どもは筍運びを手伝って、その勢いで皮むきもします。六歳になった瑠莉菜ちゃんや五歳だけど幼児組では一番背の高い明日香ちゃんよりも大きな筍の皮を剥きました。
 二週連続で筍の皮を剥くと、皮むきが上手になりました。愛ちゃんはその皮で遊ぶのが大好きです。それで先週は余力があって、みんなで伽羅蕗にするためにざくざく蕗を切りました。三歳の直人くんは六年生の美希ちゃんに見守られて切ります。五年の有紗ちゃんは、蕗を何本も揃えて切ります。野絵ちゃんは切るより筋取り(シュタイナー幼稚園のフェリーチェで蕗の筋を取って沢山食べたそうで)をしたかったようでした。四年の健吾くんがいなくて残念でした。 
 蕗の皮むきは指先が黒くなるのが苦手で、私は伽羅蕗専門です。大鍋に溢れる約二`の蕗に醤油は六百cc。蓋をして煮、柔らかくなったらつや出し用に砂糖と味醂少々を加え、蓋をせずに煮ます。全部で十時間ぐらいかかるようです。赤唐辛子を刻んで加えると出来上がり。
 一年間、おにぎりに箸休めにと活躍する我が家の保存食です。
 これを手軽に安価に作ると、きっと大量の添加物が暗躍するのでしょう。
 前回「添加物の影響を受けるのは、子どもなのですから」と書きました。昔ながらの手間暇かけた本物の味が、添加物の作用で「本物風の味」になってしまうと、本物の味を知らないで育つことになります。味は文化です。一番の伝統文化です。各種のだしの素、インスタント食品、スナック類のベースの味付けは同じなのだそうです。それを美味しいと感じさせてしまうのが添加物の威力!
 便利さ安さと引き替えに失うもの、それは作り手の愛情です。素材を選び、手間をかけた一品は、買物の時間だけで食卓に並べられる沢山の料理より高価です。高価というより値段の付けられない豊かさでしょう。更に子どもも作り手になれば、作ることの楽しさも大変さも判ってきます。子どもがおとなと料理して共に食べるという本源的な楽しみを経験すると、心が豊かに      
育ちます。それは、丹念に暮らすというのと同義語です。     肥中の筍