平成十七年 聰子の日記広場たより6号
  通算四六一号     二〇〇五年六月二日(水)太陰暦卯月二五日

 野いちごの季節です。
 大昔、そう十八歳のこの頃でした。友人のJさんから「これ食べられるのよ」と教えられたのは
休講を利用して、いや授業さぼったのだったかな、記憶が曖昧ですが、大学そばの立田山麓を
散策しているときでした。
 可愛い赤い実に歓声をあげ、しかしおそるおそる口にしてほのかな甘さに喜びました。それから
は野いちごに病みつきで、幸運にも黄いちごを見つけ、その甘さが格段であることを威張ったり、
冬いちごがトゲトゲだらけなのに、口に含めば全く気にならなかったり、熊本の四年間は自然に
開眼したといっていいでしょう。それまでは恥ずかしいけれど櫻が紅葉するとは知らなかったのです。
いつもくらーく下を向いて歩いていたのでしょう。近眼だったし・・・・・
 先週野いちごのジャムを作りました。
 きっかけは檸檬です。母の日の贈り物に「アロエ化粧水」を作るのが日記広場の恒例ですが、
材料はアロエの他に日本酒と檸檬です。図書室支援に行く途中に檸檬の木があるのを見つけ、
二月(三ヶ月化粧水は寝かせておく)勇気を出して「下さい」とお願いしました。お出かけ前の慌た
だしいときの突然の依頼に「採っていって良いですよ」のインターホンのお声に有り難く、塀によじ
登って四個いただきました。すぐに子どもたちとクッキーを作ってお礼にと持っていき、五月には
出来上がった化粧水を届けました。すると檸檬の花が咲いているのです。このとき行けなかった
小四のAちゃんに見せたくて、次回見に行きました。
 その帰りの道すがら「友達のお母さんが野いちごのジャム作っててね、それを食べたらへいわーっ
て気がしたんよ」彼女のこの言葉に感激して、今から取りに行こう!ところが見つかりません。
きょろきょろしていると見事な花菖蒲!あら綺麗と見とれていると知人が顔を出しました。
 お久しぶりの挨拶もそこそこに「野いちごありませんか?」
すぐ近くの丸町公園にあると教えていただきました。
 蚊に刺され、茨に引っかかれながらも野いちごを採りました。                  
 心が動くとそれにしたがって波動が生じ、その知人が現われたのでしょうか。
 動く心を持つ大切さを痛感した一幕でした。       
                                                      これは野薔薇