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  聰子の日記の広場たより46号
通算三九一号 二〇〇三年三月五日(水)陰暦如月三日  発行人鍬塚聰子

 元日記の広場のMちゃんが骨折で入院療養中と知ったので、見舞いに行きました。
 そのおかげでとてもいい気分を味わいました。
 都合良くひとつ用事がなくなって、時間が出来たので歩いていきました。
 花を見つけながら歩いていると、いつもは通らない道に出ました。小児科医院があります。手前が患者さんのための駐車場で、若いお母さんが車を止めかけていました。なにか感じがいいなあと思いながら通りすぎ、なぜだろうと振り返りました。そして後戻りました。
 大きな木があったからです。たぶん欅かと思いますが、それが駐車場の車一つ分を占めて立っていました。昔からそこに立っていたので、駐車場のために切るのは忍びなかったのでしょう。良かったねえと木に話しかけました。とてもいい気分でした。
 そこは大原小児科医院です。評判を何も聴かなくても木を残していることだけで信頼感が湧きませんか。
 それにつけても、姫林檎の木は可哀想でした。家主さんは駐車場にするため、丁度入り口にある姫林檎の木を切りました。端っこだったら残ったかもしれません。
 小さな真っ赤な実をつけていた姫林檎。目をつぶると、桜が終わったあとくらいに、真っ白な花を木全体に咲かせていたのが浮かびます。はらはらとちるのもまた風情がありました。私の思い出の中で生きている!(格好つけすぎかな)
 病院は新しく明るく楽しそうでした。リハビリ専門なので高齢の方が多く、小四のMちゃんはみんなの人気者です。入り口に熱帯魚の大きな水槽がありますが、警備員さんは「Mちゃん餌をやりにおいで」と呼んで下さるそうです。
 お誕生月は十二月ですが、ずっとずっと待ち望んでいた子どもが胎内に居ると判った五月の喜びを忘れないためにMちゃんと名付けたN美さんが、入院生活を楽しもうとしている我が子に教えられることが多いと話されるのは頷けます。
 Mちゃんの裏の絵を見て下さい。骨折したことは辛いことだったけれど、学校に行けずに泣いている自分にスポットライトを当てています。そして「重いんだよー、早くしろよ」とぼやいているライトを持つ人を描くことで状況を好転させています。
 心優しいそして強い子です。

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