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  聰子の日記の広場たより43号
通算三八八号 二〇〇三年二月十二日(水)陰暦睦月十二日  発行人鍬塚聰子

 鯛味噌を初めて作りました。
 三年前、あるお宅で味見した鯛味噌の美味しさが忘れられず、でも味噌にこだわっていたようだから、とてもできないなあとあきらめていたのでした。
 ところが親しい「つり舟」さんから連れ合いが鯛を三匹戴いて来たのです。味噌は中津の町を元気にしようと「花福」さんたちが麦焼酎を作ったあとを捨てずに生かしたのですと頂いたのがあります。資源を生かすその心がこもっています。こだわりの味噌です。
 俳句仲間のS子さんから最近戴いた大蒜味噌、勿論自家製、の味の良さも、鯛味噌を作る後押しでした。
 まず鯛の鱗をとり、内臓をとり、ざっと魚を開き、湯がきます。そして骨や皮を外すのですが、これが時間がかかるのです。器用な指先ではないので、骨に身がまだまだ付いています。美味しそうなので口に入れたら、身は食べて、骨だけ自然に出すのですから、指先より舌先の方が器用だなあとへんなことに感心しました。何度もすると上手に外せるのでしょうが、なにしろ初めてなのでいやと言うほど時間がかかりました。こつをご存じの方、教えて下さい。
 もう骨はないと思っていても、チカッと骨が見つかります。鯛の骨は小さくてものどに刺さるとなかなかとれません。子どもの誕生日にはケーキではなく必ず鯛を塩竃にしてお祝いしますが、ある年次男が鯛の骨をのどに刺し、ご飯を丸飲みしてもとれなかったことがあり、よけい気にして取り除いたのでした。
 そうやって取った鯛の身一カップに対して 味噌一カップ・砂糖、酒、水それぞれ半カップと婦人之友社の澤崎梅子著「家庭料理魚編」には書かれていますが、わたしは水はその半分でしました。先ず身を鍋に入れ箸四本でかきたてるように炒りつけます。そうしながら酒と砂糖を大匙一杯ずつ交互に加えて炒り、五匙まで入れそぼろにします。別鍋に味噌と残りの砂糖と酒と水を入れ火にかけ、そぼろを少しずつ入れて、元の味噌の堅さになるまでゆっくり練り上げます。こうして作ると夏でも保存可。
わたしにしては随分の時間をかけた鯛味噌は、食べるのが惜しい程絶品に仕上がりました。直後は二度と作らない!と思ったのですが、鮮度ののいい鯛が安く手に入ったら、また、思い始めています。