第八十五回グランパ句会 二〇〇七年二月五日(月)
                           特選   選
 1 立春や塵をついばむ芦の鴨 (もとお)       又・三
 2 春の風愛が溢れる笑顔達 (ゴン)      幸・三・浅
 3 梅一輪日ひて日ひてのひかりかな(しいもあ) 三・寒
 4 白魚よライムに乗ってかけ抜けろ (又太郎) 結
 5 薄氷や今朝の別れの未練かな(星)    乱・藍・又・三・諭
 6 りゃんりゃかりゃんりゃか桜前線どこゆこう?(夏日) ホ・聰
 7 寒い朝きまって口ずさむ歌がある(ホロロ)  寒
 8 春雷や宵闇にもうれしき伝え (野捨次郎) ホ
 9 抱擁の指しっかりと藪椿(聰子)          星
10 鳶色の目をした男冬の蝶(乱葉) 夏
11 寒椿今やめでる人もなし(藍) 又・諭
12 きょうもまた心に雪の降り乱れ(虎血)
13 瓶ビール国というものは嫌なものだ(もとお) 聰・ホ
14 故郷の春雨優し親の傘(ゴン) 幸
15 梅開く一日正月待ちましょう(しいもあ)
16 春うらら八幡のやどかりどこへゆく(又太郎) 夏・次・結
17 雪でした判決の夜の妻の肌(星) 乱
18 曲がってる母の手の指凝りもせず(夏日)星 ・賢  次・寒・三
19 煮凝りや過ぎ去りし日は溶けっちまった(ホロロ)又 次・聰  
20 外に出て子供ら木枯らしを迎え撃つ(野捨次郎) 藍・幸・賢
21 中年や降る雪に目を遊ばせる(聰子)
22 貴男が好きと云うをんな息白し(乱葉)
23 粉雪に失恋の痛み舞い落ちる(藍) 寒
24 世直しを心に誓う血の雨に(虎血) 藍・結
25 チョコレート返さないのが本命だ(もとお) 幸
26 春の声遠くかすかに聞こえるよ 夏
27 福はうち鬼もうちなり恵方まき 又
28 蛸社長鉢巻き巻くのさ男だな(又太郎)
29 身を割いて吹き出したるは御神渡り(星)
30 朝が来た国東羅漢ニンマリ(夏日)
31 囀りてあかるい時雨になりにけり(ホロロ) ゴ
32 雪どけのぬるくつかみし乳房かな(野捨次郎)乱・聰
33 手袋や風船は舟ですか(聰子) 結・賢
34 降る雪に梅の蕾の紅くあり(乱葉)
35 吐息澄む冬のたそがれ (ゴン) ゴ
36 悩み抜き青空を舞う雪を食う(虎血) ゴ
37 人過ぎし廃家の梅は香を羽織り(姫本舗) ゴ 星・諭
38 会い別れ昔ひもとく朧かな(姫本舗) 星・寒
39 節分や今日は笑う鬼となり(姫本舗) 藍・賢
40 音もなく月みちていく寒の森(結)  乱・星・ゴ・次・夏・幸
41 絶えず砂崩れ奈落や冬の月(結)     ホ   乱・賢  
42 木枯しが泣くびっしりと冬魚泣く(結)         聰
今月の高点句 
七点  曲がってる母の手の指凝りもせず    夏日
六点  音もなく月みちていく寒の森       結
五点  春の風愛が溢れる笑顔達        ゴン
     薄氷や今朝の別れの未練かな      星
     煮凝りや過ぎ去りし日は溶けっちまった  ホロロ
     雪どけのぬるくつかみし乳房かな    野捨次郎

註:三=三輪俊和 幸=三輪幸子 寒=寒来光一(落語作家) 諭・浅=二四歳