第七十九回グランパ句会 二〇〇六年八月七日(月)
                        (作者)   特選  選
 1 事務所なくファイル三冊残暑かな(もとお)         盲
 2 あし茂り斑猫飛び交うせせらぎや(又太郎)
 3 餌与えいつかは共に渡り鳥(ゴン)
 4 冷や麦や熱さ忘れて浮き袋(ミルク)            も
 5 言の葉の冷たきを接吻でおおいたり(野捨次郎)     清・又・盲
 6 見つめてるやさしい日陰水遊び (楽竿)          ミ・ゴ・盲
 7 梅雨明けて妻は忘れず冷やっこ (盲蛙)    
 8 人はみな子宮の中であったまった(夏日)    
 9 切り刻めばいつか朝顔になるはずの(聰子)
10 祭り待つ人も夜店も炎天下(賢二)            ミ
11 蝉時雨日陰を選び猫眠る (乱葉)              ミ・楽
12 お盆には帰ってくると約束し(虎血) 
13 留守電の紅い光にヒヤッとす(もとお)            乱・清・夏
14 鼻に汗かち割り砕きホームラン(又太郎)
15 蝉時雨生きろ生きろと応援歌(ゴン)       
16 夏の夜花火轟く遠賀川(ミルク)
17 冷や水を飲むも咽頭は錆びたまま(野捨次郎)       乱・聰・楽
18 ジャワジャワと蝉の鳴き声風止まる(楽竿)          ゴ・聰
19 冷泉の水琴窟や藁帽子(盲蛙)
20 アンポンタンぬるりとあらわれ大暑かな(夏日)結・次・盲 又・楽
21 繰り返しを厭がっている夏薊(聰子)               も
22 葬送の献花片付く蝉しぐれ(賢二)
23 冷奴枝豆もある不足なし(乱葉)                清・夏
24 冷たいね瞳の奥の光かな(虎血)
25 病跡のテープ起こしや冷豆腐(もとお)              結
26 蜃気楼ファシストどもの屍や(又太郎)              結
27 まだ見たい綺麗な花火散っていく(ゴン)
28 冷房の心地の良さに午睡する(ミルク)              も
29 巨廃船暗黒星雲となり波揺れて(野捨次郎)
30 カッカッカッジリジリ日照りムウーシムシ(楽竿)         ゴ
31 冷たいね別れ話のかき氷(盲蛙) 又・も
32 菖蒲売りの少年さわやかな風を呼ぶ(夏日)
33 皮ジャンの冷たく脆く半夏生(聰子)                清
34 花街は客引きばかり油照り(賢二)
35 梅雨冷えや君と過ごした一年六月(乱葉)            次
36 祭りにて後を追う子等遠き日々(虎血)              ミ・ゴ
37 氷冷えびえメルティーキス(藍)   
38 夏の海縁ないままに水着しまう (藍)                乱
39 冷えびえと今も戦火が上がっている(藍)     
40 冷たい太陽の下うだるような夏冷菓(清)
41 氷の中麦茶を冷やす若い時アイスクリーム工場(清)
42 幼き日理科実験父に食べさせようと氷菓失敗の続く日(清) 聰・結・夏
43 悲しさの例えようなき天の川(せい) 次
44 ふるさとや冷やしトマトがまず迎え(姫本舗)        楽・盲
45 人死んで海の暗さよ遠花火 (結)
46 林ご食う便通にはいいだろう(我洲)
47 ハマナスの偽りの紅透けてみゆ(せい)
48 バーゲンの旗も無言や風死せり(姫本舗)            乱・結
49 はらすいた油照るみちがまっ白だ(結)            聰・次
50 梅雨前線上下に移動魚煮る(我洲)
51 身を引いて女豹が涼む海灼くる(せい)
52 目覚めれば元気ですかと蝉時雨(姫本舗)            又・次
53 羊水が熱いよ川がもえている(結)
54 何故かバスにのれなかった梅雨 (我洲)           夏
                   
八月の高点句
     8点  アンポンタンぬるりとあらわれ大暑かな  夏日
     4点 冷奴枝豆もある不足なし            乱葉
         ふるさとや冷やしトマトがまず迎え      姫本舗
         はらすいた油照るみちがまっ白だ      結