第七十七回グランパ句会 二〇〇六年六月十二日(月)

 兼題 水・季節の野菜・擬音語・擬態語

五句選です。うち特選一句に◎。聰子あてにお願いします。

 1 湯につかりバチャンバチャンと月笑う

 2 プチプチと虫を潰して米を炊く

 3 蕗(ふき)を煮て老残午後を潰したり

 4 ぽぽぽぽぽ綿毛を飛ばすニヒリスト

 5 梅雨空やポチャポチャがウインクし

 6 雨が降る楕円の月も濡れている

 7 ダービーの日イエスもブッタも信じけり

 8 青空に八十八の瞳あり

 9 ででむしと雨垂れ逃げて葉裏かな

10 病む人の咳をきいて二輪草

11 皿倉は雨の中なりみな涼し

12 団扇(うちわ)はりはり前髪ゆれる

13 紫陽花は優しい母の笑顔です

14 具だくさん熱い味噌汁ズズズズズー

15 梅雨最中こんにゃく畑を食べている

16 野の花を踏みにじるああいとしい女

17 そらまめに灯ともし人を恋しがる

18 梅雨空や現実と理想ほど遠く

19 しゃりがもにせんでもよかと夏暖簾

20 五月雨(ごがつあめ)ワルツを踊る子等の傘

21 突然の死体は赤く染まりたり

22 舞い戻ることなど出来ず梅雨の宿

23 カタカタと木製おもちゃ楽しげに

24 黒川の清き流れに蛍すむ

25 夏痩せにトマトの赤が目にしみる

26 針の音は句作の邪魔

27 廃寺の落ち葉一枚の血の色

28 死に水や蛍(ほうたる)光る三つ四つ

29 梅雨空や花の天皇家民営化

30 日向夏わが心はすえひろがり

31 自販機の冷と押す指夏来たる

32 子供達夜の公園雨の色

33 夢もまた螻蛄(ケラ)の手の幅半世紀

34 コチコチと静けさの中心にひびく

35 しんしんしん蛍の恋はさまよえり

36 毎日が紫陽花みたいにうつりげで

37 春の雨淋しおやじの声がする

38 泰山木雨後の羽虫を天へ

39 五月雨の吹きこむバスにひとりかな

40 バラ植える指にいく億の記憶

41 らんちゅうがそよそよ泳ぐとても身軽

42 いかを断つ梅雨あとの水よ

43  マイマイに入りさなぎが蝶になる

44  蛍祭り楽しい川の流れに沿って

45  北九州空港海の上子どものようにはしゃぐなり