第七十回グランパ句会 二〇〇五年十一月七日(月)
               (作者)  
特選   選者
 1 鼓座に星が流れる午前四時(もとお)      清
 2 作業所を終えて駅迄秋うらら(ミルク)

 3 渓谷に紅葉散りをり鱒跳ねる(又太郎)
 4 秋の色暮れて行く街吐息つく(ゴン)  

 5 抱かれむ息を殺して萩の夜(聰子)    清又寅井子賢
 6 ひととして感じるものを持ちたいです(子房)   ゴも
 7 パリパリと歩くいちょう並木冬の声(藍)    聰我ゴ
 8 血肉食う資本と薬に労働者(虎血)      夏又ミ結
 9 秋天の鳶がスイスイ一直線(夏日)         乱 
10 息絶え絶え郵便局にはトイレがない(もとお)    福
11 秋深し公園に善意のゴミ箱を(もとお)
12 公園を走る童や秋の草(ミルク)          ゴ我
13 寒空にジャンボ焼き鳥エンゲル君(又太郎)     も結
14 頬杖の爽やかな午後あくびする(ゴン)       夏結
15 ため息の集まりたるや吾亦紅(聰子)
16 秋中日あたたかいのはあなたのせい?(子房) 
17 秋寒や母と見上げるオリオン座(夏日)      ミ清姫
18 ふーっふーっとさしつさされつおでんかな(ミルク)

19 運動会カウチポテトの父は来ず(又太郎)       福
20 溜息を夕焼け空に深く吐く(ゴン)
21 息を呑むほどに生きたし神無月(聰子)
   井姫子賢
22 なまけもの怠ける苦行を業とする(子房)
   我姫
23 美しきもの椿の莟の中にいる(夏日)
24 暗黒の果てなる海に漆黒の雨降る(野捨次郎)
    虎
25 残忍を日々みがきつつ冬に入る(結)      聰虎ミ井
26 ほろほろ酔い月は二重も三重もなり(ひめ本舗)   福夏
27 冬が来たランニングの白い息(清)
28 からみたい男と女落鮎のごとく(我洲)
29 罪人の逃亡の群れ波頭(野捨次郎)
30 生と死に影絵芝居の大花火(結)           我
31 振袖の火事より櫨はあかく燃え(ひめ本舗)
福・井  乱
32 毎日のテレビ体操私がんばる(清)
        も
33 蛇口からもれる水あり秋の昼(我洲)
      聰結
34 さざ波は子宮のごとく静かなり(野捨次郎)
35 朽ちていく身は時雨れつつ潮豊か(結)

36 夕餉ひとりため息ひとつ秋の暮れ(ひめ本舗)
賢・ゴ 清乱
37 父の命日二人姉が来る冬(清)
38 名月やここにいる自分の影(我洲) 
        ミ
39 路地裏に男がひとり小夜時雨(賢二)         我乱
40 涙まで捨ててしまえと冬紅葉(賢二)       ゴも虎姫
41 返り花我とどまりし大河かな(賢二)        福井姫
42 吐く息に振り替わり入る秋の風(乱葉)         子
43 坂道に息白く吐く小夜時雨(乱葉)
44 ため息の多き男や冬立ちぬ(乱葉)           賢