第六十五回グランパ句会 二〇〇五年六月六日(月)

 1 外はまだ驟雨(しゅうう)だからさ傍にいて
 2 水温は紫陽花色の昼下がり
 3 枯渇の泉に降る血の雨
 4 語らぬ蛍袋水を吸う
 5 水滴よ水につかって白百合なり
 6 虎視眈々キャベツ畑に蝸牛(かたつむり)
 7 紫陽花や乙女の頃は短くて
 8 青空をひとりじめして夏が来る
 9 堀の隅風に追われて根無草
10 もうちょっと生きてみようと雨に濡れ
11 万葉の恋ですひとしお水の闇
12 ほとばしる磁力か雷か落ち着けず
13 突風の中びしょぬれになり破れ傘
14 椎葉村山女の肢体美しき
15 今晩は裕次郎です夏は来ぬ
16 戦乱の空の青さや墓碑銘や
17 停車場に日傘の女ひとり居て
18 見えずとも陽はそこにある梅雨の空
19 こひぶみを書きて遊ぶや水すまし
20 矛盾だなあ優しさよこんにちは
21 水芭蕉純白のドレス涙残す
22 夕凪に朝から雑魚など釣りおりし
23 岸辺いて君を感じる蛍火や
24 まっすぐに歩いて初夏の山
25 五月雨や白鷺一羽曽根干潟
26 滝おちるダイヤサファイヤエメラルド
27 暁(あけ)の海春魚の如き射精する
28 やって来るモンローウォーク夏の海
29 でこなでる猫や夏風の部屋に来て
30 海山をなぶれ六月恨(はん)の風
31 夏の犬わたしと転がり頬よせて
32 暴走の単車一瞬海光る
33 すいか喰う円座にひとつ共和国
34 カラフルに夏色今年は三十路です
35 てのひらの七色小蛇妻殺し
36 母と子のようにあそぼう夏の犬
37 謳歌する青葉に少し嫉妬して
38 かくれんぼ夏至の夕焼け子等の影
39 緑あふれ三十三畳鳥走る