第六十三回グランパ句会 ニ〇〇五年四月十一日(月)

  1 一面レンゲ草なり冠つくる
  2 ダンプひた走る見つめる木の芽道
  3 音も立てずに百合の花咲く
  4 逆縁に赤子となりし妻の居て
  5 泣き哭かれ現(うつつ)は何か問うて逝き
  6 花すみれ小さき指に摘まれけり
  7 枯れの樹をほら見てよく見て芽吹いてる
  8 蒲公英(たんぽぽ)の綿毛いつもの一人です
  9 麗かな風に乗って黄泉のくに
 10 青空が故郷なのです犬ふぐり
 11 まっすぐな瞳ときどき雪が舞う
 12 姉の手はなしばたばねる電話の奥で
 13 病床で森のスプレー目に緑
 14 イヌフグリ俳句にならんでこんちきしょう
 15 ふるさとに母の命日集いけり
 16 「半落ち」に疼きし我の意気地(いくじ)なし
 17 襟あしのやけに白くて夕桜
 18 春近い土筆(つくし)よりさきに外へ出よー
 19 十薬(どくだみ)の花よ夜風の白きこと
 20 春めく様(さま)に冴返る肢体
 21 蕗の搭胸一杯のほろにがさ
 22 魅せられてやがて哀しく桃の花
 23 雪が舞う公園には誰もいない
 24 玄海の鯰(なまず)・春一番大暴れ
 25 煙突の煙のぼりゆく春の暮れ
 26 今もなお瞼(まぶた)に残るさくら草
 27 山越えをしてもいいかなあコブ高菜
 28 かえり道子猫が一匹暗がりに
 29 母子草父子草あり天滅ぶ
 30 咲く花の輪郭(りんかく)黙認してる春
 31 雨・薄暮桜のおわり集い飲め
 32 花のような君なりまた会いましょう
 33 島ひとつ溶かし日は落つ春の凪
 34 春に咲くすべての花にI Love You
 35 菜の花のバージンロード風駈ける
 36 花嫁のベールに花びらあふれ散る
 37 昔程気にならなくなった春の雨
 38 首を裂くナイフ春陰の長廊下
 39 一瞬に桜が舞い風を抱く
 40 仏陀の掌(て)百花あふれ春みだれ
 41 ぱっと咲く春の衣につつまれて
 42 甥の指のどんどんのびる初桜
 43 花が咲く俺はそろそろとつぶやく
 44 春夕日できるまでやる逆上がり
 45 ワイパーが仲良く手をふる春菜雨
 46 夕闇に桜やこの身洗われて
 47 おばちゃんたちと春が目の前通る