第六十二回グランパ句会 ニ〇〇五年三月七日(月)

 1 病直れ貧乏神よでていけ乙女の願い
 2 梅のごとくさき乱れて空を読む
 3 ホームで叫ぶ「ガンバレ!」と友の声
 4 吹きすさぶ身受けし風や子亡し親
 5 よだれかけその首にもう詰め襟か
 6 春めきし山河を胸に別れ行く
 7 花時の思い半ばの別れかな
 8 くださいな勇気とよばれるビタミンを
 9 不意に別れ菜の花畑つきぬけて
10 街灯にまとわりじゃれる雪の虫
11 牡丹雪スローな生き方お手のもの
12 卒業し遠い国へとさあ離陸
13 精神大入学すれども卒業することなし
14 さびしくて思うは人恋しい
15 月の光地上に届きココロ灯す
16 意気がりて読み書き示し在校生
17 病とてまたくる役員春の使命
18 白水と稗と粟飯阿蘇の春
19 初詣あなたと一緒が大吉だ
20 卒業や木綿のような昼の月
21 春雨や思いひたひたこぼれ落ち
22 肩に力いつとはなしに草萌る
23 白銀に足跡つける子供かな
24 冬六法を見つめるガマの油
25 自分から早く卒業したい私
26 雪がホロリホロリ宇宙からの安定剤
27 戯れを卒業(やめ)し男の顔静か
28 春を待つ芽に一面の霜落ちて
29 卒業や机も椅子も今日限り
30 初詣願いはひとつ「生きていたい」
31 耳の痒い猫いて我ら別れゆく
32 想い出や雨降る夜の沈丁花
33 菜の花や色のめりはり空分かち
34 不起立で卒業します僕達は
35 新しい春よ子供たちの背丈
36 春昼の星の不安や白い鳥
37 ああぼくの弔電は日永の四時に
38 花の兵色艶やかに春の陣
39 くりかえし別れ出会いの春の雪
40 たばこ吸うトイレ15の春の雪
41 海に散る次々に散る梅の花
42 立ちなれし教壇に別れまだ寒く
43 終ったよと天のささやき山眠る
44 まだ誰かと会うだろうか春の雪
45 ふわり春うれしい空と散歩です
46 シャボン玉消えてなくなる人の世も
47 なにもない卒業だけがありました
48 今川の岸辺のさぎや羽さむく
49 これまでのわたしを卒業人に告ぐ
50 生きていく燃える氷を抱きかかえ
51 畳寒い君は美しい服を脱ぐ
52 忘れ傘忘れ歌にも春の約
53 恋破れ春の夕べの霧の雨
54 なごり雪とりわけ小声のさようなら
55 梅の花色とりどりにめまいして