第五十六回グランパ句会  二〇〇四年九月六日()
  

 1  近道はもどるもいくも葛の花

    求む愛ねじれ心にアイロンを

    なにもせず一日犬とたわむれる

    出会いには悲しいわかれが待っている

    盆踊り死者と生者が入り乱れ

    友と会いカツ丼定食残暑かな

    布団真っ黒夜長のペン染み

    よき出会い心打たれし今を生き

    貫ぬけり出会いし医者の助けおり

10  ホッハッドッ出会い人生夏も行く

11  サーフィンの色鮮やかに夏の雲

12  おふくろがこしをいためて星月夜

13  風立ちて海賊船に出会うかな

14  眠れぬ夜虫の音聴いて明日思う

15  いつも来し佳人はみえず野分かな

16  台風がきたからちょっと飛んでみよう

17  山腹を霧かけ登り来る秋の山

18  虫鳴いてこころに刺さるものは何

19  流星を鎖につないでこの胸に

20  荒々しい雲が生れるキッス疲れ

21  さらさらと過ぎていく夏海の砂

22  白露の似合う赤間の硯かな

23  月光に酔って眠れぬ

24  越えてこそ味のある詩かけるかな

25  回帰する別のラッシュを撮ろう

26  理不尽な殺戮止めよと百足虫(むかで)の脚

27  出逢っては記憶をたどる鰯雲

28  四十雀さえずりあいて生垣に

29  無花実のじゃむを煮詰めて君想う

30  結びありゆえに生きゆくいわし雲

31  蝉達は鳥のようにはしゃべらない

32  何か妙ださけられている秋の空

33  出逢い系サイト白い萩の花

34  それぞれに出会う人々秋の風

35  紗の衣ほころび蝉の風に揺れ

36  数十年経た木陰のなかいまぼくは

37  ひぐらしが朝の冷気を裂いて鳴く

38  父の忌をすぎてつくつくぼうし鳴く

39  鼓動止め月の光に耳澄まし

40  おおうものなき身を月にさらし立つ

41  ゆっくりとポッカリつかる夕陽の湯

42  山々のすべて夕霧まといたる

43  「哀愁」の一場面なる出会いかな

44  じっとしてわかってほしいじっとして

45  左様なら出会い一目惚れの夏の闇

46  蚊を叩くじっと掌()を見る

47  一休み気の向くままに葡萄糖

48  台風にサボン落とされ歎きおり

49  突風にスカート孕みて秋を知る

50  二軍落ち隠す涙で勝利呼び

51  青さ見る皆いっせいに海を見る

52  おふくろが観音様へ秋の朝

53  捩花(ねじばな)の捩れひねもす抱擁す

54  友からの便りに秋は深まりつ

55  鬼灯を仏壇に活け飲みに出る

56  偶然をよそおいときめく秋祭り

57  秋風や誰れをも添えぬ日々となり

58  稲妻に照らされめまいの出逢いかな

59  吾亦紅ここで何人死んだやら

60  風が吹く秋ですかとたずねてみる