第五十七回グランパ句会 二〇〇四年十月四日(月)
      兼題「笑い」

1 鳴くすすめにぎやかにあそぶ子を想う
2 笑み返す色玉(ざくろ)の蔭の君ほのか
3 あっちゃんがVサインする梅実採り
4 水の上とんぼがぽんぽん輪をつくり
5 秋雨が傘のさし方教えてくれた
6 墓場までもってく宿題猫まかせ
7 月の下(もと)泣き笑いで酒も尽き
8 湯にけむる棚田をかすめ星走る
9 恩師来てカサブランカの香り立つ
10 人生は時計のようにはまわらない
11 虹色に揺らめく街の秋雨かな
12 無月かな裸の雨にからまれし
13 白木槿(むくげ)赤い木槿と笑いけり
14 前髪に夕陽のかかる秋なりし
15 台風のあと青空のした結婚式
16 稲妻に照らされめまい出逢い来る
17 おふくろが10kgの米を運ぶ秋
18 赤とんぼ夕暮れ時に軒の下
19 いまさらにうらむ人なく秋のくれ
20 秋を歩きセピアの空が影のばす
21 馘首(かくしゅ)する金木犀の万の花
22 リンリンとさえずり合うコウロギ
23 初ものの?(さんま)焼けたり舌笑う
24 警報機両目でウインクしてる秋
25 スマイルでどうしてもいやと女医迫る
26 図書館でコーラおじさん少女吹き出す
27 星月夜が胸を刺す秋
28 天ノ川引き連れ輝く十字星
29 秋暑し眠れぬ夜の泣き笑い
30 かんけいないそういう心がイジメてる
31 残菊や閉院すると言い笑顔
32 野分き朝二日酔いなる烏かな
33 「夕焼け売ります」「笑い売ります」
34 テーブルを囲む笑いや柿をむく
35 秋冷にこころにきざむいいやつと
36 出逢いのレモン心裂かれて耐えがたき
37 母は空想好きである秋日和
38 栗のとげ指にさされば又楽し
39 キャラメルをまた作りたし冬まぢか
40 同じ位置年に一度の赤い花
41 彼岸の陽鶏舎(けいしゃ)にみちて首くくる
42 コスモスよひとりじゃないみんながいる
43 秋立つもむだまらなるや苦笑い
44 沈黙も楽しからずや思草
45 たんすごと捨ててしまおう衣替(ころもがえ)
46 おじさんはアイスが好きと姪笑う
47 落陽かな葉も夢も散り
48 手術終えベッドで観る月母の笑顔
49 なぜ生きるとうた眼の深き闇
50 十三夜寄り添って二人難破船
51 わたし見て台風一過の居待月
52 銀漢は多情多恨に笑いおり
53 赤トンボ夕陽の香り添えてみる
54 雲低き肌寒きころコスモス咲く
55 棘と血が漂うバラに惹かれた生
56 木の実降る人情、愛情どっちだろう
57 落ちばつみおいしい煙につつまれて
58 四頭の山羊は売られて久留米へと
59 土手に立ち空一杯の秋をすう
60 西日やっとおだやかにソフトクリーム屋

ごん亭句会  席題  水       2004年10月19日(火)
  

特選 作者
も・さ 秋の午後こくりこくりと水の音 ゴン
水入らずの親子ありけり雁渡る 聰子
ゴミ捨てに疲れみそ汁作れない もとお
良夜かな水にあふれ死にあふれ
時雨るるや薩摩切り子の水明り 聰子
虎・ミ 川に落ちそこから枯葉旅に出る ゴン
香・も・さ 大水をけちらし行くは我が秋か 虎血
新妻のみずみずしい流れかな ミルク
雨にぬれひたすら走る青春か ゴン
結・香 10 三十路すぎ颱風長雨肌水不足 桃夭
11 山間のみずみずしい流れかな ミルク
12 水あふれ川の流れに米の浮く 虎血
13 水流れてアダージョ終わりなき冷え
14 水涼しごん亭句会はじまりぬ
15 日の出前豆腐すくう手水冷た 桃夭
16 生物のはじめは全て水である もとお
17 秋去る日水にあふれて遠賀川
18 雨粒に光るコスモスよどむ流れ 香華
19 びっしりと傷ある腕や秋の水
20 鵙は胸をはる水盤の青い茎
21 誘い水流れをかえる夕陽かな 虎血
22 水充たす盃に朱の山ブドウ
23 新入生みずみずしい制服かな ミルク
結・も・桃 24 秋冷の厨に水を飲む女 聰子
25 枯れかぼちゃ水借りし地の午後一人 桃夭
26 水星やひとりぐらしの女たち 聰子
27 冷たくもあたたかくもあり秋の水 もとお
28 人生は捨つるのみなり秋雨かな もとお
29 鼻水の今落ちんとす夕花野 聰子
30 食べ過ぎて胃に流し込む秋の水 合作
31 水に浮き揺れかまきりの鎌ひとつ
32 玄関を入れば笑い秋時雨
33 白萩は水のかたちに夕暮れる 聰子
香・桃 34 そなたを水底に沈め秋のバラ盛る
マ・ミ・ご 35 酔いそめしうなじの秋や水明り
36 水鳥は悲しからずや金の風
37 泣き叫んだ日は遠い秋の水去る

                                   選者の「ま」はごんママです。